インフォーカス(約6分)

グローバル市場見通し(2023年1月号)

マルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しです。

2023年1月27日
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🟢 強気

🔵 やや強気

⚪ 中立

🟠 やや弱気

🔴 弱気

🔼 前月より上方修正

🔽 前月より下方修正

資産クラス

見通し

コメント

株式

これまでのベアマーケットラリー(総じて弱気相場の中での上昇局面)は一旦終わったと考えていますが、金利がピークに近い可能性を受けて、中立の見通しに引き上げました。

国債

🔵

金利水準は、より現実的な水準で推移しており、今後見込まれる経済減速が支援材料と考えます。

社債

🔵

景気後退の可能性があることからハイイールド債よりは投資適格債を選好しています。地域的には、バリュエーション面から、米国よりも欧州や新興国を選好しています。

コモディティ(商品先物)

中国の経済再開は支援材料ですが、供給サイドの改善や景気減速が、これを相殺すると考えます。

株式

地域

見通し

コメント

米国

🟠

これまで米国株式は上昇してきましたが、これが継続する積極的な理由が見当たらないと判断しています。米国経済はこれまでのところ拡大が継続していますが、現在の株価水準には割高感があると考えます。

欧州

🔵🔼

魅力的なバリュエーション、堅調な企業のバランスシート、中国経済の再開が支援材料となると考えます。また、エネルギー供給を巡る懸念も短期的には後退していることもプラス要因です。

日本

🔼

バリュエーションが魅力的であるほか、中国経済の再開も支援材料となると考えます。但し、円高の進行は重しとなる可能性があります。

アジア太平洋(除く日本)

🔵🔼

中国の経済再開が考えられていたよりも早く進んでおり、バリュエーションにも割安感があることから、中国の見通しをやや強気に引き上げています。一方、中国以外のアジア地域については、中国の経済再開は支援材料となる一方で、世界経済の減速が重しとなることから、中立の見通しを維持しています。

新興国

🔵🔼

景気後退のリスクの高まりは、歴史的には新興国株式に影響を及ぼしてきました。しかし、現在の新興国株式のバリュエーションはこのリスクを概ね反映しており、中国の景気回復や、これまでのドル高の流れが落ち着いたことは支援材料になると考えます。


国債

地域

見通し

コメント

米国

🔵🔼

12月末までの金利上昇を受け、米国債は概ねフェアバリューの水準に戻ったことに加え、市場の懸念はインフレリスクから景気減速にシフトしていることから、見通しをやや強気に引き上げました。

欧州(ドイツ国債)

ECB(欧州中央銀行)の金融政策スタンスがタカ派的になっていると解釈されています。しかしながら、ドイツ国債の金利は、概ねこれらの情報を織り込んだ水準にあると考えられます。

新興国現地通貨建て

🔵

足元の上昇で魅力度は低下したものの、先進国債券に対する実質利回りの魅力度が高く、選別的な投資機会を創出していると考えます。

インフレ連動債

米国10年ゾーンの実質金利が1.25%近傍にあり、足元の下落により、フェアバリューの水準に近づいたと考えます。

社債

資産クラス

見通し

コメント

米国投資適格社債

長期的にはある程度ポジティブな見通しを持っていますが、スプレッドは欧州が米国に比べ魅力度が高いと判断しています。

欧州投資適格社債

🔵

現在の欧州のスプレッド水準は、新型コロナウイルスの発生時に見られた水準に近いと考えられ、現在想定される悪材料を大方織り込んだ水準にあると考えています。

新興国米ドル建て投資適格社債

🔵

新興国のファンダメンタルズは比較的堅調に推移しています。金利水準はここもとの地政学的リスクを織り込んだ水準にあると考えられることから、引き続きやや強気の見通しを維持しています。

米国ハイイールド社債

🟠

これまでスプレッドが縮小してきたことや米国のハイイールド債券市場が相対的に大きいことを考えると、今後米国経済が悪化した場合、米国ハイイールド債券市場が脆弱になる可能性が考えられます。

欧州ハイイールド社債

🔵

米国と比較して、欧州ハイイールド債券市場の構成銘柄は、クオリティが高いと判断でき、かつバリュエーション面での魅力度もあると判断しています。

コモディティ・通貨

資産クラス

見通し

コメント

エネルギー

暖冬の影響で、天然ガス価格は下落していますが、天候は変わりやすいことには留意する必要があるほか、欧州は長期的に供給懸念が存在します。また、中国の経済再開は支援材料ですが、経済減速はマイナス要因となります。

米国実質金利と金の連動性は薄れているほか、ロシアのウクライナ侵攻以来、金価格が下落しています。米ドルの今後の方向性を巡る不透明感からも、中立の見通しを維持しています。

産業用金属

中国の経済再開はプラス材料になると考えますが、経済の減速は金属価格の圧迫要因になると考えます。

米ドル

🟠🔽

米ドルはピーク近傍と考えているほか、他国中銀の政策金利との金利差が縮小していることも米ドルにとっては重しとなります。

ユーロ

域内の経済成長見通しは明るくはないものの、現在のユーロには、市場参加者のネガティブな見通しが織り込まれていることやECBのタカ派姿勢を背景に、反転の可能性もあると考えています。

日本円

🔵🔼

先般行われた日銀のイールドカーブ・コントロールの見直しが金融政策引き締めの始まりとなる可能性もあり、日本円にとっては支援材料であることから、見通しをやや強気に引き上げました。

出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
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