- コロナ禍でも世界の投資家は10%超の投資リターンを予想する一方、日本の投資家は6%と最も保守的
- 日本の投資家が経済への悪影響が続くと見る期間は平均で2.35 年、世界の投資家の平均は1.73年と日本よりおよそ半年早い回復を考えている
シュローダーは、投資家の投資動向や投資意識を把握することを目的に「シュローダー・グローバル投資家意識調査2020」を実施、その結果を発表しました。本調査は、世界32か国/地域の2万3,000人を超える個人投資家を対象に、オンラインで行いました。 調査結果は、3つのテーマに分けて発表する予定です。第一弾の今回は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界の人々の生活のあり方を変えている中、日本を含む世界の投資家が経済への影響についてどの程度の懸念を抱いたのか、そして、新型コロナウイルスは彼らの投資見通しにどのような影響を与えたかについてまとめています。今後、サステナビリティとリタイアメント(老後)をテーマにした調査結果を発表する予定です。
グローバル平均10.9%に対し、日本の投資家は6.0%と最も低い投資リターンを予想
コロナ禍による不確実性にもかかわらず、世界の投資家は、今後5年間の投資リターンが平均で年10%を超えると予測しています。地域別では、米州の13.2%に対し、欧州の投資家は平均9.4%のリターンを予想しています。国別では、米国(15.4%)、インドネシア(14.8%)、アルゼンチン(14.6%)の投資家が最も楽観的な一方、日本は6.0%、スイスは7.0%、イタリアは7.9%と、世界の投資家の中で、日本の投資家は最も保守的な予想をしたことが分かりました。
今後5年間の資産運用における予想年率リターン(平均、地域別)
また、投資家が今後1年間で予想する投資成果も低下傾向にあります。日本の投資家が実際に予想する投資リターンは、一昨年(2018年)は8.9%でしたが、昨年(2019年)は5.8%、今年(2020年)は5.0%と年々低下傾向にあります。一方で、投資家が望むリターンの水準は、ここ3年間で、一昨年(2018年)は8.1%、昨年(2019年)は7.1%でしたが、今年(2020年)は7.8%と昨年を上回りました。結果として、日本の投資家が望む投資リターンと実際に予想する水準とのかい離は昨年と比較して拡大し、期待と実際の予想が近づいた世界の投資家とは異なる傾向となりました。
日本の投資家は新型コロナウイルスが経済に悪影響を及ぼす期間を2.35年と予想
日本の投資家は景気への悪影響が長引き、利益水準も低下すると予想しています。日本の投資家が経済への悪影響が続くと考えている期間は平均で2.35 年です。一方、世界の投資家の平均値は1.73年と、日本の投資家に比べ、およそ半年の差が生じています。
コロナ禍の市場変動を受けて資産配分の変更を行った日本の投資家の割合は57%とグローバルの78%に比べ低い
株式市場が不安定となった2020年2月から3月にかけて資産配分を変更した日本の投資家の割合は57%と、グローバルの投資家の78%に対し、低い割合でした。しかし、投資知識「上級」と回答した日本の投資家においては変更を行った割合が87%と、中級者(61%)や初心者(44%)に比べ高く、世界の投資家の平均も上回りました。
一方で、短期的な投資資産の値下がりを大きく懸念する投資家は日本においても世界全体でも少ない傾向にあります。投資資産が短期的に値下がりした場合、どの程度懸念するかの質問に対し、日本の投資家は、まったく懸念しない(20%)、少し懸念する(42%)、中程度懸念する(29%)、かなり懸念する(10%)という結果になり、世界の投資家においても、まったく懸念しない(21%)、少し懸念する(44%)、中程度懸念する(28%)、かなり懸念する(6%)と日本と同様の傾向でした。
日本の投資家は投資資産が短期的に値下がりした場合、どの程度懸念するか
また、世界的なパンデミックによって、日本の投資家が自身の投資について考える頻度はより高まったようです。自身の投資について週に一度考えると答えた投資家は、パンデミック以降46%とそれ以前の30%に比べ増加しています。
シュローダー・グローバル投資家意識調査2020の詳細をご覧いただくには、こちら(www.schroders.co.jp/gis)をご参照ください。