折り返し地点を迎える2020年代~20年代前半に生まれた投資課題とは?~
シュローダー×三井住友信託銀行 特別対談①コロナ禍を経て金利水準をはじめとする投資環境が大きく変化する中、債券戦略に求められる役割にも変化が生まれている。注目を集めるプライベート・デット戦略においては、従来の流動性プレミアムの追求だけでなく、新しい投資対象への模索を通じた分散効果の享受も新たなトピックとして挙げられる。今回は三井住友信託銀行 年金運用部次長 山岸智行氏とシュローダーグループ ブルーオーチャード CEO マイケル・ウェラ氏に話を聞いた。

米国ではインフレ懸念が再燃し金利再上昇リスクがくすぶる中、債券運用にとって難しい環境が継続しています。どのような対応策が考えられるのでしょうか?
三井住友信託銀行 山岸氏
弊社では、今後の金利再上昇への備えとして、金利リスクを抑制しながら収益獲得を狙う絶対収益型戦略への一部シフトが、今後の債券ポートフォリオの運用安定化の鍵になると考えています。これまで、企業年金においては株式比率を抑制し、絶対収益型戦略へシフトしてきたこともあり、そのカウンターである債券についても一部を絶対収益化しても、株式と債券の補完効果を維持しながら、ポートフォリオの運用安定化が維持されると考えています。債券の絶対収益型戦略の1つとして、金利上昇耐性や景気感応度を抑制した低リスク型プライベートアセットの活用が、今後の対応の選択肢になると考えています。
ブルーオーチャード ウェラ氏
旗艦戦略であるブルーオーチャード・マイクロファイナンス戦略(以下、BOMF戦略)は、低所得層向けの小口融資を実施する金融機関に対しローンを提供する低リスク型のセミリキッド・プライベート・デット戦略です。パフォーマンス面では、円ヘッジベースでリスクが0.8%と極めて低位であり、シャープレシオが3.2と高位である点が特徴です。また他資産との相関が低いことも特徴の1つで、債券指数との相関は低くなっています。(以下の表をご参照)また、米ドルベースでの当戦略と世界株式との相関は+0.03、一方でキャッシュとの相関は+0.54となっており、ポートフォリオに対して高い分散効果を提供します。※
※2005年6月末~2025年6月末の月次リターンを用いて相関を算出。世界株式はMSCIワールド・インデックス、キャッシュ・リターンは米ドル6ヶ月LiborとSOFRを用いて指数化、いずれも米ドルベース、運用報酬等控除後。
ブルーオーチャードマイクロファイナンス戦略に投資する意義は?
ブルーオーチャード ウェラ氏
BOMF戦略の誕生は、国連貿易開発会議(UNCTAD)のマイクロクレジット部門が当資産クラスに対する民間資金の呼び込みを主導したことがきっかけです。このUNCTADの取組みを通じ、BOMF戦略の前身である戦略が1998年に組成されました。これは、BOMF戦略が、「ESG」という言葉が生まれる以前から運用をしていたことを意味します。また、BOMF戦略は、セミリキッド戦略であるため一般的なプライベートアセット戦略が四半期毎のリターン開示となる中で、月次リターンを提供可能です。これにより、お客様サイドでも月次リターンを用いたポートフォリオ分析が可能となります。
三井住友信託銀行 山岸氏
プライベートアセットへの投資における悩みの種として、月次リターンの把握が出来ず、他の投資戦略との横比較がしづらいという課題があると考えています。その点、BOMF戦略は月次リターンが算出される点は魅力的ですし、投資対象のローンも短期ゾーン中心であるため金利リスクの抑制とキャッシュ創出力の高さも魅力的と考えています。このような投資し易い建て付けも、債券代替戦略として活用し易いポイントとなっています。実際、2023年11月の弊社取扱以降、足下までに500億円を超える受託金額となっており、多くの機関投資家(企業年金や金融法人等)の皆様に活用を頂くに至っています。
ブルーオーチャード ウェラ氏
2025年6月時点の戦略全体のグローバルの受託残高は29億米ドル(約4,200億円)となっています。プライベート・クレジットへの注目や、プライベートアセット内の分散に注目が集まる中、当戦略の受託残高も直近10年で倍増しています。
折り返し地点を迎える2020年代~20年代前半に生まれた投資課題とは?~
シュローダー×三井住友信託銀行 特別対談②
インパクト投資のパイオニア
世界初の民間投資家向けマイクロファイナンス戦略を立ち上げたブルーオーチャードは、インパクト創出と経済的リターンの両立において、20年超の実績を有します。これまでの実績をご紹介します(日本の機関投資家向けサイトとなります)。
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