インフォーカス(約6分)

アマゾン従業員の権利:2022年度年次総会におけるシュローダーの投票行動

シュローダーは、アマゾン従業員の権利向上に7年間取り組んできました。今年の年次総会では、この問題に関する3つの株主決議に賛成投票を行います。

2022年6月2日
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グローバルの小売企業であるアマゾンは、従業員への待遇や労働条件について厳しい監視の目を向けられています。シュローダーは、同社の変化を促す働きかけの一環として、2022年の議決権行使で3つの株主決議を支持する予定です。これらの決議は、経営陣ではなく投資家が、同社の事業にして提案しているものです。

シュローダーは本総会で他の議案も検討しており、上記に加え、他の議案についても取締役会の提案に反対票を投じる可能性があります。

2022年のアマゾン年次総会でシュローダーが支持する株主提案

18件の株主総会決議のうち、労働者の権利に関連するものが3件あります。

「それらは、従業員間の健康と安全についての差に関する報告を求める決議、結社の自由に関する追加報告を求める決議、そして倉庫の労働条件に関する報告を求める決議です」と、シュローダーのコーポレートガバナンスの責任者、ティム・グッドマンは説明します。

「私たちは、これらの提案を支持することが重要であると考えています。これらの提案は、私たち自身の同社への取り組みと一致し、情報開示の強化を求め、従業員の権利の強化を促進するものです」

従業員の権利は、シュローダーの取り組み計画における6つの重点テーマの一つで、アクティブマネジメントに向けての当社のアプローチを定めています。これは、「ヒューマン・キャピタル・マネジメント」(HCM)という包括的な見出しに含まれています。 アマゾンの競争優位性を維持・拡大するためには、社内の人材の育成と維持は不可欠のため、このテーマはアマゾンの優先事項として位置付けられています。

ティム・グッドマンは次のように述べています。「アマゾンに対する当社の取り組みでは、スタッフに支払われる賃金や諸手当の改善、社内における従業員参加や意思表明の促進、従業員の健康とウェルビーイングの向上、倉庫業務の労働条件の改善などの分野もカバーすることを目指しています。」

シュローダーは、アマゾンのこうした課題に、2015年から取り組んでいます。

アクティブ・オーナーシップの責任者、キンバリー・ルイスは、次のように述べています。「2015年以来、アマゾンと23回のミーティングを行い、その活動の多くは従業員の問題、特に健康と安全、従業員の声に焦点を当てるものでした。」これは、従業員がアマゾンに懸念を表明する機会を増やしていることを示しています。

ESGのアクティブ・オーナーシップ・マネージャー、ケイティ・フレイムは次のように述べています。「2022年は、アマゾンへのさらなるエンゲージメントを通じて、同社がどのように請負業者(配送業者など)に安全規定を守らせているか、また、その安全規定の遵守状況が依然として同業他社の基準を下回っているのはなぜか、それに対処するためにどのようなことを行っているのかを理解しようとしてきました。」

キンバリー・ルイスは、次のように述べています。「またシュローダーは、なぜ米国の従業員が組合を結成することを同社が心配しているのか、そしてなぜ組合との関係が依然として緊張状態にあるように見えるのかについても理解しようと努めてきました。さらに、アマゾンが従業員の離職率を開示するよう働きかけました。」

他の企業の従業員の権利に関するシュローダーの取り組み

キンバリー・ルイスは、次のように述べています。「シュローダーでは、アクティブ・オーナーシップに対して異なるアプローチをしています。私たちは、持続可能なビジネス慣行に関して企業に明確な期待を示すことが重要だと考えており、その結果、私たちが投資する企業や資産への建設的かつ積極的な関与を通じて、企業の行動に影響を与えることができるのです。」

マルチ・リージョナル・エクィティのグローバル・セクター・スペシャリスト、シモーネ・ゲルデンハウスは次のように述べています。「持続可能な事業活動は、事業の長期継続性と競争上の優位性にとって重要な要素です。そのため、私たちは投資先を検討する際には、アクティブ・オーナーシップは、私たちの意見を伝え、経営陣に説明責任を持たせるための重要なメカニズムだと考えています。たとえば、アマゾンの場合、物流はビジネスの差別化要因となっているので、その従業員の人権を保護することは、より強固なサプライチェーンを構築する上で非常に重要なのです。また、アマゾンから従業員の安全確保に関する適切な情報開示を受けることで、業務上および財務上のリスクを評価することもできます。

議決権行使は、アクティブ・オーナーシップの手法の一つにすぎません。エンゲージメントと合わせて、アクティブ・オーナーシップに対するアプローチは、企業との双方向の対話を確保し、企業の説明責任を高める上で、一層効果的になることがわかりました。 議決権を具体的に行使することは、企業に進展がないことに警鐘を鳴らす効果的な方法となりうるのです。議決権を具体的に行使することは、企業に進展がないことに警鐘を鳴らす効果的な方法となりうるのです。

「アマゾンの場合、これらの問題の重要性を考えれば、私たちの投票により進展の必要な分野指摘され、持続可能な慣行に沿う方向に経営陣の優先事項を向かわせることができればと考えています。 アクティブ・オーナーシップを通じて、当社は、クライアントの投資価値を守り、高めることを目指しています。」

 

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