日本の投資家意識

サステナビリティやプライベート市場などのトレンドが日本の投資家にどのように影響を与えているか、投資家は新たな投資環境にどのような戦略でのぞもうとしているのかについて調査しました

変化する投資環境における新たな道筋

投資家は現在難しい課題に直面しています。インフレの進行と地政学的な不確実性は、脱炭素化の必要性と相まって、市場の見通しを困難にしています。投資家の戦略や市場に対する見方がどのように変化しているかを把握するため、シュローダーは、世界33の国と地域における23,000人を超える投資家を対象に、グローバル投資家意識調査を行いました。

56%
インフレ率と金利が上昇する中で、政策や市場にレジーム・シフト(構造変化)がおきていると考える日本の投資家の割合
40%
新たな投資環境を踏まえて投資戦略を変更した日本の投資家の割合
34%
まだ変更していないが変更する予定の日本の投資家の割合

それでも投資家はリターンに対して楽観的

日本の投資家は過去12カ月と比べて今後12カ月のリターンをどう見ているか

直近6カ月間で、日本の投資家にとってより魅力的だった投資は

「より魅力的」と「より魅力的でない」の差分による順位

1位
上場株式
2位

プライベート・エクイティや不動産などのプライベート・アセット

3位
インデックス・ファンド

サステナブル投資:企業への働きかけ

投資家は、サステナブル投資について理解を深めるにつれ、その意味をより深く考えるようになってきています。 ひとつの側面が「アクティブ・オーナーシップ」、つまり、長期的な価値創造のためにより持続可能な企業行動が適切に考慮されるよう、資産運用会社が企業の取締役会や経営陣に働きかけを行うことです。

多くの日本の投資家は、サステナブルな行動を企業に促すことが投資利益につながることに同意

サステナブルな行動を企業に促すことは、その企業が長期的な価値を生み出すことにつながる

日本の投資家のうち、投資知識レベルが高い投資家ほど、企業への働きかけが将来の付加価値につながると認識

日本の投資家が、資産運用会社が企業に働きかけを行う上で最も重要だと思う分野

より多くの情報と教育がサステナブル投資を促進

サステナブル投資に魅力を感じる日本の投資家は多い

サステナブル投資に魅力を感じているか、またその理由は?

プライベート・アセットの推進

当調査によると、投資家はプライベート・アセットへの投資に関する課題をおおむね理解しています。 世界の規制当局が、これまで年金基金など大規模機関投資家に限られていた投資へのアクセスを一般の投資家にも認めるようになってきていることから、これは重要な調査結果といえます。なお、プライベート・アセットには、プライベート・エクイティ、不動産、インフラ、プライベート・デット、クレジット(企業への直接融資)が含まれます。

日本の投資家が最も投資したいと考えているプライベート・アセット上位

23%
インフラと再生可能エネルギー
19%
プライベート・エクイティ
15%
不動産

日本の投資家はプライベート・アセット投資に、投資成果向上、投資先の分散、サステナビリティの向上を期待

日本の投資家がプライベート・アセットに投資する理由

プライベート・アセットに対する知識や経験を積む必要があると認識

日本の投資家がプライベート・アセット投資の障壁と感じていることの上位

日本の投資家が考えるプライベート・アセットへの投資配分

本調査は、シュローダーがalan. agencyとiResearchに委託したもので、ヨーロッパ、アジア、南北アメリカにまたがる世界33の国と地域の23,000人以上の投資家を対象に、2023年5月26日から7月31日まで、オンラインで独自に実施されました。本調査において、「投資家」とは、今後12ヵ月間に少なくとも1万ユーロ(またはその相当額)を投資する予定があり、過去10年以内に投資先を変更したことのある人を指します。 そのため、調査結果は全ての投資家を代表するものではありません。