プライベート・エクイティの基本を理解しましょう
プライベート・エクイティ(PE)は、世界中の企業の成長と革新を推進する重要な役割を担っています。本ページでは、プライベート・エクイティ投資の概要や仕組み、メリットを解説します。
プライベート・エクイティとは?
プライベート・エクイティ(PE)とは、広義には未公開(非上場)企業の株式を指します。世界で上場企業はわずか2%にとどまり、証券取引所に上場していない未公開企業は、98%を占めます。
PE投資では、未公開企業の株式へ直接投資を行います。機関投資家や個人投資家は、PEファンドを通して、新技術の開発、企業買収、運転資金の拡大、バランスシートの強化などに活用できる資本を未公開企業に提供し、企業価値の向上を目指します。
多くの場合、PEファンドは、ビジネスに関する専門知識を企業に提供し、効率性の向上、新しい市場への参入、売上の拡大など、企業運営の改善を目指します。

プライベート・エクイティの仕組み
PEの投資会社 は、機関投資家や個人投資家から資金を調達します。これらの資金は、未公開企業の株式を取得するために活用され、時には完全に未公開企業の所有権を取得することもあります。PEの投資会社は、企業の効率性を改善し、収益性を高め、通常5~7年以内に会社を売却(エグジット)することで、利益を実現します。
プライベート・エクイティ投資のメリットとは?
PE投資のメリットには、高いリターンを生み出す可能性、分散効果、公開市場では投資ができない企業やセクターへの投資機会が挙げられます。さらに、公開市場と比較して、四半期ごとに短期的な収益を気にすることなく、長期目線で、複数年にわたる戦略的計画を実行できることもメリットです。ただし、PE投資には大きなリスクも伴うため、すべての投資家に適しているわけではないことに留意する必要があります。

プライベート・エクイティはどのように価値を生み出すのか?
プライベート・エクイティが価値を創造する方法は、業務改善、戦略的な方向性、財務構造の再編、ガバナンスの改革等があります。PEの投資会社は、これらの様々な施策を実施することで、企業の効率性、収益性、企業価値の向上を図ります。
プライベート・エクイティ投資の3大戦略とは?
PE投資の3大戦略とは、バイアウト、グロース・キャピタル、ベンチャー・キャピタルです。伝統的なバイアウトでは、企業の過半数の株式を取得します。グロース・キャピタルは、事業拡大や再編にあてる資金を求めている、一定程度成長した企業に対するマイノリティ投資(少数株主出資)です。ベンチャー・キャピタルは、長期的な成長が見込まれるスタートアップ企業や中小企業に対して資金を提供するものです。

プライベート・エクイティ投資の歴史は?
PEの起源は19世紀にさかのぼり、富裕層の個人や一族が未公開企業に投資していていたことが始まりです。現代のPE業界は、1970年代後半から1980年代前半にかけて、ベンチャー・キャピタルやレバレッジド・バイアウトを行う企業が設立され始めました。数十年の間に、PE業界は大きく成長し、世界の金融システムの主要な一部となりました。
プライベート・エクイティの最新のトレンドは?
PEの最近の傾向として、サステナブルで責任ある投資への注目が高まっています。また、高い成長性が見込まれるテクノロジーやヘルスケア分野への関心も高まっています。さらに、大規模で多角的なPEの投資会社では、より幅広い投資商品やサービスを提供する傾向が見られます。
シュローダーにおけるプライベート・エクイティ
シュローダーのプライベート・アセット部門、シュローダー・キャピタルの中核に位置するのが、PE専任のチームです。シュローダーは2017年に、PE運用に特化したスイスに本社を置くAdveqを買収しました。Adveqは1997年に設立され、PE投資において25年以上の運用実績があります。
シュローダーは2023年6月時点で 、プライベート・エクイティ・チームが運用する150億米ドル[1]を含む、940億米ドル のプライベート資産を運用しています。プライベート・エクイティ投資で20年以上のベテランであるライナー・エンダー(プライベート・エクイティ部門グローバル・ヘッド)が、60名を超える投資およびリスク管理の専門家からなる経験豊富な安定したチームを率いています。
当チームは、グローバル市場のカバレッジを提供しながら、各地域のチームと連携し、伝統的な株式・債券のポートフォリオを補完する投資機会、長期トレンド、テーマの発掘に努めています。投資対象、戦略、ビンテージを問わず、絶対・相対パフォーマンスで確かな実績があります。
[1] 運用資産には手数料収入のないドライパウダーを含む、2023年6月時点のグリーンコートの運用資産を含む(買収は2022年4月11日に完了)。
シュローダー・キャピタルについて
シュローダー・キャピタル はシュローダーのプライベート市場投資部門です。市場の変化をリードする投資家のみなさまへ、プライベート市場への投資機会をご提供します。
シュローダー・キャピタルのウェブサイトはこちら
用語集
プライベート・マーケットを理解する上で基本となる10の用語を次のページで紹介しています。ぜひご覧ください
知っておきたいプライベート・エクイティ用語10選
マーケット情報
プライベート・エクイティを中心としたプライベート市場のマーケット情報を公開しています。シュローダーのプロの視点による最新ニュースや投資情報をぜひご覧ください。
プライベート市場の最新情報はこちら
クイズ
プライベート・エクイティに関する知識を深めたところで、最後にクイズに答えてあなたの知識を試してみましょう。
Q: プライベート・エクイティ投資の主な特徴は?
A: 未公開(非上場)企業に直接、またはファンドを通じて投資すること。
Q:現代のプライベート・エクイティ業界が現在の形になり始めたのは、何年代でしょうか?
A: 1970年代
Q: プライベート・エクイティ投資の3つの主要戦略は?
A: バイアウト、グロース・キャピタル、ベンチャー・キャピタルです。
Q: プライベート・エクイティの投資会社は、通常どのように投資先企業の価値向上を目指すのか?
A: 業務改善、戦略的方向性、財務構造の再編、ガバナンスの変革などです。
【本資料に関するご留意事項】
- 本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・オーストラリア・リミテッド(以下、「作成者」といいます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
- 本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
- 本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
- 本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
- 本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
- 本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
- 本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
- シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
- 本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。